Column
認証工場に必ず置く人です。資格の種類、届出の期限、研修の回数まで省令で決まっています。 条文に当たって、まとめました。
省令の言い方では「統括管理させる者」です。
整備主任者は、道路運送車両法施行規則 第62条の2の2 第1項第7号に出てきます。 自動車特定整備事業者が守らなければならない事項のひとつとして、こう定められています。
事業場ごとに、当該事業場において特定整備に従事する従業員であつて、かつ、次のイからハまでに掲げる事業場の区分に応じ、 当該イからハまでに定める者のうち少なくとも一人に特定整備及び法第91条の特定整備記録簿の記載に関する事項を統括管理させること(自ら統括管理する場合を含む。)。 ただし、当該事項を統括管理する者(以下「整備主任者」という。)は、他の事業場の整備主任者になることができない。
読みどころは3つです。
なお「自ら統括管理する場合を含む」とあるので、事業主本人が整備主任者になることもできます(資格要件を満たしていれば)。
事業場が何をやっているかで、必要な資格が変わります。
| 事業場の区分 | 整備主任者になれる人 |
|---|---|
| イ 分解整備を行う事業場ハに掲げるものを除く | 一級又は二級の自動車整備士の技能検定に合格した者 |
| ロ 電子制御装置整備を行う事業場ハに掲げるものを除く | 一級の自動車整備士の技能検定に合格した者 または一級二輪自動車整備士、二級の自動車整備士、自動車車体整備士、自動車電気装置整備士の技能検定に合格した者であって、電子制御装置整備に必要な知識及び技能について運輸監理部長又は運輸支局長が行う講習を修了した者 |
| ハ 分解整備及び電子制御装置整備を行う事業場 | 一級の自動車整備士の技能検定に合格した者 または一級二輪自動車整備士もしくは二級の自動車整備士の技能検定に合格した者であって、上記の講習を修了した者 |
電子制御装置整備だけの事業場(ロ)は、車体整備士・電気装置整備士でも講習を修了すれば整備主任者になれます。 しかし分解整備も行う事業場(ハ)では、車体整備士・電気装置整備士は使えません。 一級、または一級二輪・二級+講習修了に限られます。
鈑金塗装からエーミングに広げた工場が、そのまま分解整備も続ける場合は、ここが引っかかることがあります。
第7号のただし書きに 「当該事項を統括管理する者(整備主任者)は、他の事業場の整備主任者になることができない。」とあります。 工場を増やすときは、そのぶん整備主任者になれる人が要るということです。
同じ考え方は自動車検査員にもあります。 道路運送車両法第94条の4第2項は「自動車検査員は、他の事業場の自動車検査員となることができない」と定めています (ただし同一の指定自動車整備事業者の他の事業場で、位置その他について国土交通省令で定める要件を備えるものは除く)。
期限があります。変更のときも同じです。
自動車特定整備事業者は、整備主任者に関する次に掲げる事項を、 自動車特定整備事業の開始の日又は次に掲げる事項に変更のあつた日から十五日以内に、運輸監理部長又は運輸支局長に届け出なければならない。
一 届出者の氏名又は名称及び住所
二 整備主任者が統括管理業務を行う事業場の名称及び所在地
三 整備主任者の氏名、生年月日及び統括管理業務の開始の日
第3項では、届出書への添付書類が定められています。 整備士の技能検定に合格したことを証する書面、 (ロ・ハの事業場の場合は)電子制御装置整備の講習を修了したことを証する書面が必要です。
「受けさせること」が事業者の義務として書かれています。
整備主任者であつて次に掲げるものに運輸監理部長又は運輸支局長が行う研修を受けさせること。
イ 整備主任者として新たに届け出た者
ロ 最後に当該研修を受けた日の属する年度の末日を経過した者
ロの書き方がポイントです。 「最後に研修を受けた日の属する年度の末日を経過した者」—— つまり前回の受講が令和7年度なら、令和8年度に入った時点で対象になります。 実質的に毎年度受けるものと考えてください。 また、義務を負うのは整備主任者本人ではなく事業者(「受けさせること」)です。
| 研修 | 内容 | 開催 |
|---|---|---|
| 法令研修 | 法令、主要通達などに関するもの | 振興会 |
| 技術研修 | 自動車の新機構・新装置の構造、機能及び点検整備の方法/分解整備後の保安基準の適合性及び出来ばえの確認方法等 | 振興会 |
この2本立てと技術研修の内容は、 島根県自動車整備振興会の教育センターが公開している説明で確認したものです。 同会は、整備主任者の研修について自整第187号(平成10年11月24日付)の通達に基づき、 法令研修と技術研修に分けられていること、技術研修は 「各事業場で届出がされている整備主任者のうち事業場内で必ず一人は受講することが義務づけられており毎年度実施されている」と説明しています。
開催するのは各都道府県の自動車整備振興会です。会員向けと会員外向けで案内が分かれている会(奈良・鳥取・佐賀など)、 月を決めている会(鳥取は「10月は自動車検査員、11月は整備主任者」)、 夜間の講習を用意している会(鳥取)もあります。 自分の県の日程は 全国の自動車整備振興会 53会の一覧 からご確認ください。
「整備主任者等資格取得講習」と呼ばれているものです。
第7号のロ・ハに出てくる 「電子制御装置整備に必要な知識及び技能について運輸監理部長若しくは運輸支局長が行う講習」がこれです。 一級自動車整備士の資格がある人は不要ですが、二級などで電子制御装置整備の事業場の整備主任者になるには、この講習の修了が条件になります。
事業場の区分で変わります。分解整備の事業場は一級または二級の自動車整備士。電子制御装置整備の事業場は一級、または一級二輪・二級・車体整備士・電気装置整備士+講習修了。両方を行う事業場は一級、または一級二輪・二級+講習修了です(施行規則第62条の2の2第1項第7号)。
事業場ごとに少なくとも一人です。そして他の事業場の整備主任者を兼ねることはできません。工場が2つあれば2人必要です。
条文は「最後に当該研修を受けた日の属する年度の末日を経過した者」に受けさせることと定めています。年度が変われば対象になるので、実質的に毎年度です。
変更があった日から15日以内に、運輸監理部長または運輸支局長へ届け出ます(第62条の2の2第2項)。新しい整備主任者の資格を証する書面の添付も必要です。
違います。整備主任者は認証工場に置く人(施行規則第62条の2の2)。自動車検査員は指定工場(民間車検場)に置く人(道路運送車両法第94条の4)です。どちらも他の事業場と兼ねられません。
条文は「自ら統括管理する場合を含む」としています。資格要件を満たし、その事業場で特定整備に従事していれば可能です。
出典:e-Gov 法令検索「道路運送車両法施行規則(昭和26年運輸省令第74号)」第62条の2の2、 「道路運送車両法」第91条の3・第94条の4。 研修が法令研修と技術研修に分かれること、技術研修の内容と実施については 島根県自動車整備振興会 教育センターの説明。 いずれも2026年10月18日に確認しました。 条文は改正されます。届出や研修の前に、必ず管轄の運輸支局と所属振興会の案内をご確認ください。
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